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3/28/2014

シャトー・ド・ヴァランドロー(Chateau Valandraud)


格付け:グラン・クリュ サン=テミリオン
所有者:ジャン=リュック・デュヌヴァン、ミュリエール・アンドロー
栽培面積:8ha
ブドウ品種:メルロ70%、カベルネフラン25%、マルベック2.5%、カベルネ・ソーヴィニョン2.5%
平均樹齢:30年
植樹密度:6.500本
平均収量:30~40hl/ha
醸造及び育成
すべてのブドウは有機農法による畑から手摘みで収穫する。低温マセレーションのあとの醸造は、非常にブルゴーニュ風である(樽内での低温マセレーションまたは浸浸、マクロラクティック発酵、澱と接触させたままの熟成)、ポんピング・オーバーだけでなくピジャージュも行う。マクロラクティック発酵は、樽の中で行い、最初の澱引きの時まで、ワインは澱と接触している。18カ月オークの新樽100%で熟成したあとで、ワインは清澄も濾過もせずに瓶詰される。
年間生産量:シャトー・ド・ヴァランドロー11.000本、ヴィルジニ・ド・ヴァランドロー10.000本
近年の偉大なヴィンテージ:2003,2002,2001,1998,1995,1994,1993

執念深く生真面目、非常に才能ある所有者のジャン=リュック・テュヌヴァンは、彼の清澄・濾過処理をしない、際立ってリッチなヴァランドローが獲得している評判と価格に、今ではチェシャー猫のようなにやにや笑いを浮かべている。テュヌヴァンは夫人のミュリエルと共に、サン=テミリオンの厳選した区画に、ちっぽけなシャトーを設立した。サン=ミリオンでワイン・ショップとレストラン経営の経験を持ち、ワインの取引に関わってきたことは、テュヌヴァンの偉大なワインづくりのための哲学をいささかも損なうことはなかった。

ヴァランドローがどのくらいよく熟成するか、一般の評価はもちろんまだだが、ワインの途方もなくリッチで、凝縮感があり、すばらしくくっきりした輪郭がある。1994年、1993年、1992年といったコレクターが、サン=テミリオンのどのシャトーのワインよりも探し回る小さな宝物となった。テュヌヴァンをを批判する声は耐えないが(多くはボルドーの貴族的なシャトーの嫉妬である)、彼の影響力は広大し続けている。彼は最も引っ張りだこのコンサルタントの1人であり、秀逸さへの執心とこだわりは、彼の途方もない味覚(同じぐらい才能のある彼の妻の助けが大きい)と共に、サン=テミリオンとその衛星地区の多くの凡庸なワインをよみがえらせていた。品質にこだわる消費者の意識に、これらのワインを最も人気のあるものとして植えつけたのである。

テュヌヴァンは、ミシェル・ロランと並んで、新しい世代のヴィニュロンたちに対し、もっともっと高い品質のワインをつくるよう刺激を与えてきた人物である。そのおかげで、ボルドー全体が多大な恩恵にあずかっている。
  - ロバート・M・パーカーjr著「ロバート・パーカーが選ぶ 最新版 世界の極上ワイン」203Pより抜粋



シャトー・ド・ヴァランドロー

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