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3/28/2014

シャトー・オー・ブリオン( Chateau Haut Brion)


格付け:第一級 グラーヴ
所有者:ドメーヌ・クラランス・ディロンSA
栽培面積:43.2ha
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン45%、メルロ37%、カベルネ・フラン18%
平均樹齢:36年
植樹密度:8.000本/ha
平均収量:35~45hl/ha
醸造及び育成
若いワインは、温度調節機能付きのステンレスタンクで(オー・ブリオンは1961年にこれを導入した最初の主要なシャトーである)15~20日間、発酵とマセレーションを行う。その後オークの新樽100%(18世紀以来のオー・ブリオンの伝統である)に静かに移され、ヴィンテージの持久力と力強さに応じて22~26カ月間寝かせる。卵白で清澄を行い、濾過は必要な場合のみ行う。
年間生産量:(赤ワイン)シャトー・オー・ブリオン132.000本、シャトー・バアン・オー・ブリオン88.000本
(白ワイン)シャトー・オー・ブリオン7.800本、レ・プランティエール・デュ・オー・ブリオン5.000本
近年のグレートヴィンテージ:2003,2000,1998,1995,1990,1989,1985,1982,1975

ボルドーのグラン・クリュ・クラッセとして代表的な、1855年のメドック格付け時、メドック地区でないにも関わらず(グラーヴ地区)、余りにも偉大な名声から唯一例外として組み入れられたグラーヴ地区の超一流シャトー、「シャトー・オー・ブリオン」。シャトー・オー・ブリオンは、地区違いというのに、メドック1級の栄光を獲得した。

オー・ブリオンの歴史は500年にも及び、あらゆるブドウ畑の中で最も古く、輝かしいもののひとつである。
日記作家サミュエル・ピープスが、1663年4月10日にロンドンのロイヤル・オーク・タヴァーンでオー・ブリオンを飲み、後にこう指摘したことはとても有名な話である。
「私はそこで、”ホー・ブライアン”という名のフランスワインのようなものを飲んだ。それは私が今までお目にかかったことのない、素晴らしく、特別な味がした。」

1787年5月25日、当時パリ在住の米国特命全権公使であったトーマス・ジェファーソンがオー・ブリオンを訪れ、翌日ヴァージニアの友人フランシス・エップに宛ててこう書いてる。
「このワインを味わってみて欲しいという気持ちを打ち消すことができない。”オブリオン”という名前のブドウ畑で、最上といわれている4つの内の一つだ。ヴィンテージは1784年。6ダースの瓶を箱詰めにして、分けて君の送る。」
ジェファーソンは、ボルドーの名誉米国領事に宛ててもこう書いてもいる。
「シャトー・オー・ブリオンは1級クラスのワインで、私がフランスで味わったどのワインよりも米国人好みのようだ。」

1950年代から1960年代初めにかけては素晴らしくリッチで、土っぽく、殆ど甘口ですらあったワインは、1966年から1974年の間にはより軽く、やせた、おおらかな、いくぶん単純なスタイルの赤ワインに変わり、1級シャトーに期待されるような豊かさや深みに欠けていた。これが意図的なものなのか、あるいは単に低迷していただけなのかはわからない。

1975年のヴィンテージからは再び、1966~1974年の時期以前に備わっていた、本来の土っぽい豊かさと凝縮感を取り戻した。現在のシャトー・オー・ブリオンは、紛れもなく1級シャトーの地位に相応しいワインを造っており、事実、1979年以降のオー・ブリオンは一貫して、ボルドーで生産される最高のワインの一つとして認められている。
  -ロバート・M・パーカーjr著「ロバート・パーカーが選ぶ 最新版 世界の極上ワイン」126P、127Pより抜粋




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