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3/28/2014

シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)



格付け:メドック1級(1855年) ポイヤック
所有者:ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(ラフィット)
栽培面積:100ha
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロ25%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド2%
平均樹齢:30年
植樹密度:8.500本/ha
平均収量:50hl/ha
醸造及び熟成
手摘みで収穫の後、ブドウは畑で選別される。ブドウ品種、熟成の程度、タンニンの抽出度に応じて、3週間マセレーションを行い、オーク及びステンレス製の発酵槽で伝統的に醸造する。(ラフィットお抱えの樽職人がつくった)オークの新樽に18~20カ月寝かせることによって、若いワインの熟成が完結する。ラフィットでは軽い清澄を行い、瓶詰めの前に濾過を行っている。
年間生産量:シャトー・ラフィット・ロートシルト18.000~25.000ケース、カリュアード・ド・ラフィット20.000~25.000ケース
近年のグレートヴィンテージ:2003,2002,2001,2000,1999,1998,1996,1995,1990,1988,1986,1983,1982

ラフィットの名前は、ガスコーニュ語の「ラ・ヒート」、すなわち「小さい丘」からきている。ラフィットについての最初の記述は13世紀にまでさかのぼるが、ワインづくりのシャトーとしての評判を得るようになったのは、17世紀になってからだった。1670年代から1680年代初めにかけてラフィットのブドウ畑を植えたのは、ジャック・ド・セギュールの功績である。

18世紀の初め頃には、ラフィットはロンドンに販路を見出していた。1732年から1733年にかけては、英国首相であったロバート・ウォルポールが3カ月毎にラフィットを樽で購入した。

ニコラ・アレクキサンドル・ド・セギュール侯爵はワインの醸造技術を向上させ、とりわけ外国の市場やヴェルサイユ宮殿でのラフィットの名声を高めた。才能ある大使マレシャル・ド・リシュリューの支援を得て、彼は「ワイン・プリンス」として知られるようになり、ラフィットのワインは「王のワイン」と呼ばれた。

1780年代の終わり頃までには、ラフィットは未来の米国大統領トーマス・ジェファーソンのような重要人物を始めとする、外国の信奉者を持つようになった。大使としてヴェルサイユ宮殿に仕えながら、ジェファーソンはワインづくりの情熱に目覚め、自分の国でもそれを発展させようと決心した。1787年5月にボルドーに滞在した際、彼はシャトーを詳細に格付けし、シャトー・ラフィットを上位4つのシャトーのひとつに指名した。

セギュール家によるラフィットの運営は、ニコラス・ピエール・ド・ピシャールがフランス革命の最中に処刑されたことによって、無残にも終わりを告げた。今もシャトー・ラフィットのロビーには、1797年9月12日にここを競売にかけると書かれた当時のポスターが飾ってある。当時のこのシャトーは「メドックを代表するワインで、ボルドー全体でも最上のワインを生産している」と表現されている。

1868年8月、再び競売にかけられたシャトー・ラフィットは、ジェームス・ド・ロートシルト男爵に買い取られた。
偶然にも、1868年ヴィンテージのラフィットはその年の最高価格のワインとなり、その記録は20世紀になるまで破られることはなかった。

19世紀の終わりから20世紀の前半にかけては、壊滅的な出来事が続いた。フィロキセラの被害、続いて第一次世界大戦と大恐慌によって、ワインの価格は暴落した。こうした試練にかかわらず、いくつかの偉大なヴィンテージが生み出されている。1899年、1900年、1906年、1926年、そして1929年だ。

第二次世界大戦によって事態はますます悪くなり、1940年6月にフランスが降伏すると、ドイツ軍がメドックを占領した。
ロートシルト家所有の土地は接収され、農業の職業訓練校として利用するために軍の管理下に置かれた。占領期間中ずっと、シャトー・ラフィット・ロートシルトとシャトー・ムートン・ロートシルトにはドイツ軍の駐屯が定着しており、シャトーは古いヴィンテージものを接収されたりあさりまわられたりして苦しんだ。ロートシルト兄弟がシャトー・ラフィットを取り戻したのは、1945年の終わりのことだった。

1973年から1976年に国際的な石油危機がボルドーを襲ったが、その後ラフィットはエリック・ド・ロートシルト男爵の管理のもと1975年と1976年のヴィンテージで再びよみがえった。ブドウ畑では植え替えと修復作業が続けられ、肥料は再び見直され、除草剤は制限された。セラーでは、オークの槽と並んでスチール製のタンク一式が導入され、新しい熟成方法をもたらすワイン蔵(シェ)も取り入れられた。

ラフィットは、ボルドーで最も有名なシャトーであり続けている。そして、エレガントで小さめの、控えめなラベルとともに、富、名声、歴史、尊敬、そして驚くほど長命なワインの代名詞となっている。
  -ロバート・M・パーカーjr著 「ロバート・パーカーが選ぶ 最新版 世界の極上ワイン」132P、133Pより抜粋



シャトー・ラフィット・ロートシルト

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