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4/03/2014

シャトー・シュヴァル・ブラン(Chateau Cheval Blanc)


格付け:プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA(第一特別級A) サン=テミリオン
所有者:ベルナール・アルノー及びアルベール・フレール
栽培面積:37ha
ブドウ品種:カベルネ・フラン58%、メルロ42%
平均樹齢:45年
植樹密度:8.000本/ha
平均収量:35hl/ha
醸造及び育成
温度調節機能付きのステンレス及びコンクリートの発酵槽で、21~28日間の発酵とマセレーションを行う。マロラクティック発酵の後、オークの新樽で18カ月間熟成し、その間3か月毎に澱引きする。卵白で清澄を行い、濾過はしない。
年間生産量:シャトー・シュヴァル・ブラン100.000本  ル・プティ・シュヴァル40.000本
近年のグレートヴィンテージ:2010,2008,2007,2005,2001,2000,1999,1998,1995,1990,1985,1983,1982

シュヴァル・ブランは間違いなく、ボルドーで最も深遠なワインである。今世紀のほとんどにおいて、サン=テミリオンの格付けの中で単独でトップの地位を占め、このアペラシオン最高のワインを生み出してきた。1970年代の半ばにオーゾンヌの復興が始まってからは、シュヴァル・ブランは、世の注目をオーゾンヌと分け合わなければならなくなったが、非常に際立ったワインであることに変わりはない。ポムロルとの境を接するサン=テミリオンの砂利地(グラーヴ)一帯に位置し、そのブドウ畑は、レヴァンジルやラ・コンセイヤントとは溝ひとつによって隔てられているだけであるため、長年、そのワインはサン=テミリオンよりも、ポムロルに近いと批判されてきた。

ボルドーの「八大ワイン」のひとつであるシュヴァル・ブランは、おそらく、飲み頃の幅が最も広いワインであろう。通常、このワインは最初に瓶詰めされた時点でおいしいのだが、最高に出来のよい年のワインの場合、長期にわたって質を保つことのできる能力を備えている。メドックの第一級シャトーのワインも、ポムロルのペトリュスも、これほどの柔軟性を備えてはいない。オー=ブリオンだけが、早い段階で飲むことができ、早熟でありながら、20年から30年熟成するにふさわしい内容と総合的なバランスや強さを持つという点で、シュヴァル・ブランに近いワインだと言える。私にとっては、シュヴァル・ブランはシュヴァル・ブランなのであって、私が試飲したことのあるポムロルとも、ほかのいかなるサン=テミリオンとも違う。シュヴァル・ブランのカベルネ・フランを3分の2、メルロを3分の1という特徴あるブドウの選択は、非常に異例である。主だったシャトーで、これだけカベルネ・フランを使うところはほかにはない。しかし、興味深いことに、このブドウはシュヴァル・ブランの、鉄鉱石を岩床とした砂利の多い、砂礫(されき)質および粘土質の土壌で最高となり、極めて豊かで、熟した、強烈で、粘りけのあるワインを生み出すのである。
  - ロバート・M・パーカーjr著 「ロバート・パーカーが選ぶ 最新版 世界の極上ワイン」111Pより抜粋





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